紅色の雲は夜になり銀糸の帳へと変貌した。 傘は持っていなかった。 頬を濡らす雫は冷たく、しかし随分優しい雨だと思った。 手放した慕情が夜風に舞い月へと向かう。 一筋の柔らかな光となれ。 叶わなかった恋も失った恋も、光となり愛しい人を照らしてくれ…
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