白々しさ、冬。

口から漏れる空気が目に見える。
白い。目に見えて白い。なんだこの白さは。
秋の終焉のための冬なのか、冬の開場のための秋なのか。
金木犀の悲鳴が聞こえた。秋という季節が暴力的なまでに強制終了させられた、そんな今年の秋であるよ。
紅葉に風穴が開きそこから冬が弾丸のごとく突き抜けていき、その銃弾を追いかけるかのようにイルミネーションやサンタクロースやお年玉がゴロゴロゴロゴロと零れてゆくのだ。
残酷だなぁ。
ついこの間、『あけましておめでとうございます』と言ったばかりじゃないか。
年末という二文字を踏みしめながら、噛み締めながら、吐き出しながら。
然し、冬のために、冬になり、冬なんである。