好奇心と下半身。

飛べない鳥のあざとい看板
女が歌うテーマがループするドのつく量販店にふら〜っと立ち寄ったのです。
店内を宛もなくグルグル。店員さんの作ったハイセンスなポップが目に入る。
そして、グルグル、グルグル。宛もなくグルグル、グルグル。
そして、辿り着く。2階の片隅にピンクの暖簾と『18禁』
ムムっと思う。大人の聖域発見。
好奇心がザワつく。
いざ、暖簾の向こうへ。
そして待ち構えるファンタジー。
すごくピンクピンク。おおっと唸る。
特に関心は無いのだが、とりあえず品揃えを見る。
AVAVAVオモチャAVAVAV電マAVAVAV...
その中で一際私の目を引く強烈なアイテムが一つあったのだ。
『勃鬼ドリンク』
非常に強そうである。
手に取り、成分表を見る。すると市販されている栄養ドリンクとなんら変わりのない内容な気がしてならなかった。
うーむ。どうなのだろうか。これを飲んだら下半身がおギンギンになるのか?世の男共はこれを飲んで彼女を喜ばせたりするのだろうか、等と考えていた。
次第に好奇心がとめどなく沸き上がってきた。
そして好奇心が絶頂に達した時には私はレジで会計を済ませてしまっていたのだ。
買ってしまったのだ『勃鬼ドリンク』を。
店を出る。
袋から徐ろに勃鬼ドリンクを取り出す。
喉も乾いていたし、飲んじゃえ。
と、思ったのである。馬鹿である。
蓋を開け、一気に飲み干す。
ふぅ...
味はよくある栄養ドリンクとほぼ同じである。美味しくはない。
私は鬱という症状を持ち歩き始めてから、一切の性欲が無くなってしまったのだ。
その事もありこの勃鬼ドリンクを飲んだら性欲が湧いてくるのだろうかという、所謂人体実験紛いのことを思い立ち購入してみたのである。

飲んでから30分経過。

変化なし。
ムラムラ無し。
勃起無し。

それからも下半身にはなんの影響もなく、ただ『栄養ドリンクを飲んだ感じ』が残っただけであった。

非常につまらぬ。

なるほど、私の下半身は男としてのやる気を本気で無くしてしまったようだ。
まぁ、今後の人生で性行為を行う気は無いので全く心配はしていない。男としてのプライドも無い。
気にすることは無い。

勃鬼ドリンク。
ネーミングセンスだけは100点だよ。