ワイヤレス
「まさにワイヤレスじゃないか...」
天を仰ぎ思わず店内で唸り声を上げてしまった。
それと同時に時代の流れに一歩、いや、何十歩と追いつけていない自分に気が付く。
電器屋さんでワイヤレスイヤホンという物を視聴してみたのである。
視聴というべきか、体感というべきか、あるべき所にあるはずのコードが無い、まさにワイヤレスなるものを身をもって経験したのである。
それの心地良さ、快適さに感極まり即買いした程である。
買ったその翌日から早速使い始めた私。
通勤中の音楽が一味違うものに感じられた。
気持ちが良い。だってワイヤレスだもの。
コードが絡まる心配がない。だってワイヤレスだもの。
コードがどこぞの女子高生のカバンのキーホルダーに引っかかる心配もない。だってワイヤレスだもの。
気持ちが良い、非常に。
サラリーマン。耳にはイヤホン。非ワイヤレスである。
女子高生。耳にはイヤホン。非ワイヤレスである。
ふふっ、私はワイヤレスだぞ。
私の中に訪れたワイヤレス革命。
気持ちが良い。だってワイヤレスだもの。